2004年4月発売
・プロローグ 奇妙な法改正―建て替えラッシュへの地ならし
・第一章 さまよう老朽団地―出口のない建て替え問題
・第二章 誰が「三〇年寿命」にするのか―住宅無計画列島の系譜
・第三章 被災マンションの建て替え問題―神戸震災解体の真相
・第四章 住み慣れた住居とともに―建築再生への新たな試み
・第五章 いい建物を永く使う―ヨーロッパの再生モデルに学ぶ
いま、マンション居住者の48%が「永住」を希望している。定年の頃にはローンも完済し、「わが家」となったマンションで老後を安心して暮らしたい―そんな希望が消し飛ぶような事態が起こっている。
日本のマンションはなぜか築後三〇年少々で壊され、建て替えられてきた。バブル期には自己負担金ゼロで新築に移れると言われた。だが、老朽棟を壊して高層化し、新規住戸を分譲して建て替え費用に充てる手法は、地価が下がり、マンションの供給が過多となり、もはや通用しなくなった。
現実には建て替えで二重ローンを背負ったり、高齢化で新規ローンを組めないまま立ち退きを迫られるケースもある。建て替えの是非をめぐる意見対立でコミュニティが分断され、建て替えも修繕もできないままスラム化するマシンョンも現れ始めている。
何かがおかしい。
この惨状の背景には日本の住宅政策のデタラメさがある。破壊と建設のサイクルでカネを動かそうとする、「住」を軽視した伝統である。だが、一方では、老朽棟を破壊せず、再生させる試みも登場している。住み慣れた住戸に永く快適に暮らす。経済的にも環境負荷の面においても「理」にかなった新たな流れに注目しつつ、本書は、日本の集合住宅問題にメスを入れる。
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